要約筆記者
掲載内容を随時募集いたします。(管理人までメールにてお知らせ下さい)
家庭や職場や学校など、社会のどこにおいてもコミュニケーションへの配慮が十分であれば、
中途失聴・難聴者と変わらない社会生活ができ、能力を発揮できます。いつでも、どこでも、
まわりの人々たちが、気軽にペンを取って筆談してくれる、
誰もが、不自由な部分をさりげなく支援しあえる社会を目指しています。
要約筆記のはじまり
中途失聴・難聴者の親睦団体などでは、意見を書いた紙を回し読みしたり、前に出て黒板に書いてあったり、
お互いの意見交換をしていました。昭和40年代になって、学校教育用にOHPが登場し、それを利用して、
自分の意見を書いたシートを乗せたり、いくらか聞こえる難聴者が書いたりしていました。
難聴者運動の高まりとともに、深い討議をするためには十分な情報保障が必要となり、
健聴者に頼んで書いてもらったのが要約筆記誕生の経緯です。
要約筆記とは、
要約筆記とは、聴覚障害者に話の内容をその場で文字として伝える筆記通訳のことです。
「話すスピード」は「書く(入力)スピード」より数倍も速くて全部は文字化できないため、
話の内容を要約して筆記するので『要約要約筆記』といいます。
要約筆記は、話を正確に聞き取り、要点をつかんで、短い文にまとめ、素早く書いて伝えます。
しかし話はどんどん進んでいきますから、書きながら頭では次の話をまとめながら、
耳はその次の話を聞いています。
この作業を繰り返し続けている要約筆記者は、究極のながら族と言えるかもしれません。
この大変な作業を支えているのは、「聞こえにくい人に、一言でも多く伝えたい!」
という要約筆記者の熱い思いなのです。
<歴史的な背景>
難聴者の集まりで、会議の時のコミュニケーション手段としてOHPが使われるようになり、
初めは軽度の難聴者が書いていたのを、頼まれた健聴者が耳代わりになりになって
書きはじめたのが要約筆記の始まりです。
難聴者の全国組織結成の地となった京都で、要約筆記についての研究が進み、
昭和52年(1977)に研究の成果として発行された「要約筆記研究叢書 NO.1〜3」の中に
『要約筆記の三本柱』として、要約筆記の技術を考える柱が示されました。
これが要約筆記の三本柱として、今も要約筆記を学ぶ基本となっています。
<三原則って何?>
筆談をしてみて感じたのは「口で喋るのと比べて、半分も伝えられなかった』という事ではないでしょうか。
普通に話す速さと手で書く速さを比べてみると、文字数にして5倍くらい話す方が速いのです。
そのギャップをどうやって埋めるかが、要約筆記でいちばん難しいところです。
聞いた事をどのように書けば、話に遅れずに、聴覚障害者にきちんと伝えられるか。
その基本が、「速く」「正しく」「読みやすく」という、要約筆記の三原則なのです。
※ ふつうに話す速さ 1分間に 約300〜350字
ふつうに書く速さ 1分間に約60〜70字
ふつうにうつ速さ 1分間に 約120〜200字
要約筆記は同時通訳
中途失聴・難聴者が社会参加する時のコミュニケーション支援をするのが要約筆記ですから、
話に遅れることなく伝える同時性が求められます。特に会議などでは、要約筆記されるのを待って、
それを読んで初めて中途失聴・難聴者は対応できるのですから、
話に遅れないように書く(入力する)スピードが要求されます。
速く書く工夫を
要約筆記にはどうしても、話を聞いてから文字にするまでの時間的な遅れが生じます。
聴覚障害はできるだけ速く、健聴者と同じ情報を得たいと願っていますから、
要約筆記者は早く書くための工夫と努力が欠かせません。
また話に遅れないためには、話のスピードに応じて要点をまとめられる要約力をつけることが大切です。
正しく書く
話し手の言いたいことが正しく聴覚障害者に伝わってこそ、要約筆記が通訳として役立ったと言えます。
間違った情報はかえって混乱を招いてしまいます。
(1)主旨を正確につかむ
話を正しく伝えるためには、まず、正確に聞き取らなくてはなりません。
「話し手が何を言っているのか」を、きちんとつかむ能力が要求されます。
(2)正確に伝える書き方を
聞き取ったことを正しく書き表すには、要点をまとめる力、文として表現する力など国語の能力が必要です。
読みやすく書く
(1)読みやすい文字で
いくら速くたくさん書けても、内容が正しくかけていても、それが読めなければ何も伝わりません。
まず、書き方の基本を身につけましょう。
(2)読みやすい画面づくりを
これはパソコン要約筆記にも言えることですが、聴覚障害者は長時間スクリーンやモニターを見て、
文字を追い続けているので、とても目が疲れます。見やすい画面になるよう工夫と配慮が必要です。
要約筆記のいろいろな方法
1.ノートテイク
(1)小人数のときの要約筆記
聴覚障害者が1〜2人の場合は、ノートテイクをします。
ノートを取っているように見えるのでノートテイクといいますが、ノートは使いません。
チームで情報保障するOHPの要約筆記に比べて、ノートテイクは補助が訂正できないので、
その分、主筆者の責任が重く、力量が問われます。
難聴者にとっては書かれたものが全てですから、ノートテイクの方が難しいのです。
(2)ノートテイクの心得
個人が対象になることが多いので、OHP要約筆記とはまた違った配慮が必要です。
@個人に対する場合は、特に信頼関係が大切
◆一人の人間としての信頼感
◆要約筆記の技術的な信頼感
A依頼者のニーズに合わせる
難聴の程度や、要約筆記に対する希望なども聞いておきましょう。
B秘密を守る
要約筆記の活動で知り得た事は、決して外に漏らしてはなりません。
秘密厳守を守れない人は、通訳者として失格です。
個人派遣では、病院、学校、役所など、プライベートな場に行くことが多いので、十分気をつけましょう。
一人の不注意な行動によって、要約筆記に対する信頼をなくしてしまったという例もあるのです。
せっかくノートテイクを利用して社会参加しようとした難聴者に「もう二度と頼みたくない」
と思わせることのないよう心くばりが大切です。
参考:要約筆記育成講座マニアルより
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