システムの説明

磁気誘導ループとは?

 現在、難聴者は総人口の5%と言われており、1億2,592万人(総務省・平成14年2月現在)
×0.05=約630万人だと言われています。
5年ごとに補聴器を変えると考えた場合、年間126万台の補聴器が必要となります。
しかし実際には、年間41万台と必要な方の約3人に1人しか補聴器を使用していないことになります。
そして、老人性難聴の方は65歳以上の約4人に1人だと言われ、
難聴者を含めた社会福祉が大きな社会問題になっています。


 
「福祉のまちづくり条例」は、高齢者・障害者等を初めとして社会、文化、
経済その他の分野の活動に自らの意思で参加できる社会を形成することを目的として、
各都道府県及び市町村が推進しております。
難聴者への配慮として、会場・各席等に「磁気誘導ループ」について記載されている例もあります。
欧米では補聴システムはすでに常識化されていますが、
日本の場合はまだ整備されている所は限られているのが現状です。
しかし、補聴システムだけでは不十分です。
手話通訳者が伝える手話表現・要約筆記者が伝える文字・補聴システム(磁気誘導ループ)から
補聴器を通して耳に入る音声が言葉の理解を支援するといった、
お互いの特徴を生かして共に連携を結ぶことでトータルコミュニケーションを目指すことが大切です。
本格的な高齢者社会を迎えて、難聴の方が円滑な社会生活を送れるように、
トータルコミュニケーションを有効に活用することが必要と考えます。


 
 
補聴器はあくまでも音を増幅させる器具(身体障害者福祉法では、補装具といいます)であり、
聴力が衰えて聞き取りづらくなった音を増幅して聞き取りやすくする補装器具です。
補聴器を使用すれば日常生活に支障はないと思われがちですが、
周りで発生しているすべての音を均等に大きくする為、
聞きたい音が雑音で聴きにくいことがあります。
また、補聴器の聴こえ方は環境に大きく左右され、会場(会議室・体育館・ホール・劇場・講演会場など)
の広さや天井の高さや壁の素材、
マイク音声の反響等の影響で、まったく補聴器としての機能を発揮できない場面もあります。
 私たちは、これらの聞こえの問題を改善すべく平成9年より音響技術を主軸に研究開発を行っています。
システムの特徴としては、難聴者の方がお持ちの補聴器に、
音声信号を送出することができる磁気ループ方式を採用しております。
 磁気ループ方式は、個人の耳の特性に合わせ調整された補聴器を使用する為、
安心して聴取が可能となります。
また、一般に使用されている補聴器を利用することができ、
中途失聴者協会も普及を推進されている方式です。
 世界で市販されているポケット形補聴器・耳掛け形補聴器の約7割に、
磁気誘導ループからの音声を受信できる機能があります。
そして、眼鏡形補聴器・耳穴形補聴器・人工内耳(外部機器を接続する)でも利用が可能な機種があります。
この機能を利用すると、講演会場などでマイクの音声のみを明瞭に聞くことができます。
耳の不自由を感じられている方々が、社会参加できる環境づくりこそが音のバリアフリーとなり、
福祉向上につながります。

 
 

                   
  ポケット形    耳掛け形    耳穴形    眼鏡形



補聴器の切り替えスイッチのご説明

 ポケット形補聴器や耳かけ形補聴器の多くはスイッチが数段階の切り替えになっていて、
「O」、「T」もしくは「MT」「M」「S」の文字がついていたものになっています。
これは、何かと言いますと「O」は「切」(OFF)のことで電源が切れる位置です。
「M」はマイクの頭文字のMで、普通に使用する位置です。
「S」は周りの騒音を制御する装置が働きます。
周りが騒がしい場所では有効な機能です。
では、「T」は何かと言いますと、電話(テレフォン)の頭文字のTです。
この「T」のついた補聴器には、電磁誘導コイル(テレコイル)というものが入っています。
少し前までの電話機では、受話器に薄い磁性を帯びた膜があり、
それを電磁石で動かして音を出していました。
この誘導コイルにおいてはその電磁石からの磁気を感じ取って、
音ではなく磁気を直接、電流に変えることで音を聞ける仕組みになっていました。
現在の電話機には、この機能が内臓されているタイプは少なくなっています。

上記の技術を応用して、システムを大きくしたものが『磁気誘導ループ』となります。 
 
なお、スイッチが「MT」の表示になっている場合は、
補聴器のマイク(M)と誘導コイル(T)の両方が働き、
磁気ループの声もハッキリ聞こえ、まわりの音も同時にマイクを通して聞こえるようになります。
そして、耳のなかに入れるタイプの耳穴形補聴器でも、
磁気誘導ループをご利用が可能な機能をオプションで
内臓することもできます。

なお、外部機器を接続することで、人口内耳でも磁気誘導ループをご利用することができます。


磁気誘導ループ使用方法
(例:講演会場)

磁気ループ設置会場
        ↓
補聴器(Tスイッチ又はMTスイッチ)をお持ちください。
        ↓
会場に入りまして、講演が始まりましたらMスイッチから・・・。
        ↓
Tスイッチ、もしくはMTスイッチに切り替えます。
        ↓
周りの雑音が聞こえなくなり、マイクの音声のみが聞こえます。
        ↓
講演の声が明瞭に聞こえますので、安心してご利用できます。
        ↓
講演が終わりましたら、補聴器はMスイッチに戻してください。
        ↓
Mスイッチで、いつもどおりの補聴器に戻ります。

          


 
最後に、弊社が磁気ループと同時に普及させていと考えていますのが、
磁気ループと非常放送設備との連携です。
現状の問題として火災などの緊急時に館内の避難放送が補聴器では、
聞こえにくい為に避難情報を入手することが困難な点があげられます。


 これらの問題を低減することを目的として、補聴支援システム(磁気ループ方式)
と館内非常放送を連結させることで、
補聴器でも館内避難情報を情報として聞くことが可能となります。
磁気ループをご利用している状態で火災などが発生した時に、
最新の避難情報を補聴器で受信できますので、安心して避難ができます。
私たちは、上記の避難放送が聞ける連結システムが難聴者の生命を守る意味で重要と考えます。
音声情報を保障する補聴支援システムと避難情報が聞けるシステムを共に普及させることを目指します。
※ 消防法によって設置された非常用放送設備が導入されている建築物が対象となります。







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